2024年度スローガン

報恩謝徳

~感謝の心を胸に今を突き進もう~

2024年度 理事長 松尾 博士

理事長の写真

はじめに
人は一人で生きていくことも、何かを成し遂げることもできない。常に家族と、仲間と、地域と支え合いながら、自分の道を切り開くためのこの場所に立つことができていることを忘れてはならない。報恩の精神の下、感謝の心を胸に今を突き進もう。

鳥栖青年会議所は、1959年1月に全国で183番目の青年会議所として歩みを始めました。以後、鳥栖に関わり時代を担う青年達が「修練」「奉仕」「友情」の三信条のもと、明るい豊かな社会の実現を目指し絶えることなく運動を展開し続けて今日に至ります。

私が鳥栖青年会議所に入会して6年が経ちました。当初は誘われるがままに入会し、ただ例会に参加する程度の関わり方でした。しかし、入会年の卒業生を送る会の運営を新入会員一同で経験させていただくこととなり、過去に会を取り仕切った先輩方から助けを頂き、同期のメンバーで何度も話し合い、何をすれば皆が喜んでくれるだろうか、その思いを持って取り組むことで目的を達成する事ができました。今思い起こせば、これこそ青年会議所から修練・奉仕・友情の機会を頂いた初めての機会でした。その後、わんぱく相撲事業を通して子供たちが真剣に物事に取り組む姿を見る喜びを頂き、60周年記念事業・式典を通して組織の結束する力と伝統の力を感じさせていただき、佐賀ブロック協議会での委員会事業を通してLOMの垣根を越えて一つの目標に対して取り組む楽しさを与えていただき、諸々の地域団体との交流から自らの利益のためではなくより良い社会の発展のために一生懸命活動する使命感を学ばせていただき、様々な役職を預かり組織運営を推し進めることで責任感と実行力を養わさせていただきました。これらの発展と成長の機会を与えてくれたのは鳥栖青年会議所とそれに関わる多くの皆様に他なりません。

青年会議所に所属する会員は、誰しもがこれらの機会を頂くことができます。一人一人が今この場に立たせてもらっていることを自覚し互いに支え合いながら、これまで頂いた様々な恩を受け止め、私たちの関わる地域や人々に対してお返ししていくこと。そしてその想いを仲間たちと共有し、皆が心を寄せ合いながら事業や運動を通して、今後も更に共に成長していくことを目指し、1年を通して明るい豊かな社会の実現に取り組んで参ります。

創立65周年に向けて

2024年で鳥栖青年会議所は創立65周年を迎えます。役職単年度制を敷くこの組織において各年の運動は理事長の示す所信の下に展開されますが、目指す運動の方向性は過去から脈々と続くものです。それは、広くはJC宣言文や綱領など日本の組織全体の方向性を示すものとして表れ、各地の青年会議所単位においても運動指針や活動の提言書など、複数年にまたがって指針を示すことに表れています。その確かな方向性に対してその年その年の理事長が時には大きく舵を取り、時には微調整を繰り返しながら事業展開が進められます。

鳥栖青年会議所では、2009年に「まちづくりグランドビジョン」及び「鳥栖JC運動宣言2009」を策定し、2014年にはその方向性を具体化した「まちづくり提言書2014」を作り上げ中長期的な運動の指針としてきました。その後、2019年に「鳥栖運動指針2019」及び「鳥栖運動宣言2019」を策定し、これまでの運動を振り返ると共にこの先の未来で目指すべき方向性を示しました。その後この5年間を振り返ると社会情勢は年々大きく変化しており、新型コロナウイルスの感染症拡大に起因する生活様式の変化や資材価格・物価の上昇、ロシアによるウクライナ侵攻から広がる国際情勢の混乱などこれまで想像だにしなかったような事態が世界中で発生しています。

また、日本においても止まる事のない少子高齢化社会の加速、気候の変動に伴う豪雨災害の多発、外国人留学生や労働者の増加による地域環境や文化の移り変わりなど、様々な変化が起きています。移り変わる時代を見据え私たちが目指すべき運動の方向性を再確認することは、青年経済人として重要な役割であると言えます。諸先輩方が繋いできたからこそ記念すべき年を迎えることができる事に対し感謝の心を持ち、次の世代に向けて私たちが何を伝えていくことができるかを考え実行する事で感謝の心を示していく上で、これからの鳥栖青年会議所としての運動の方向性を見つめ直し、それを示していきます。

その上で、この65周年を迎える組織として本年は2つの機会を担います。
1つ目は報恩の機会です。
私たちが今年を迎えることができるのは、ここまで延べ64人の理事長、そして諸先輩方による64年間の活動のお陰です。これまで地域に根差して活動を続けてこられた諸先輩方、そして活動を盛り上げていただいた地域の皆様に感謝の心を伝える記念式典を会員一同で成し遂げます。
2つ目は団結の機会です。
組織というものは、そこに属するものが常に同じ方向を見据えていなければいけません。私自身、鳥栖青年会議所創立60周年の年に様々な担いを頂き推し進めていく中で、委員会の垣根を越えた多くのメンバーの力と団結力を感じました。会員皆が65周年に向けて団結して取り組み、個人の成長と組織の発展の機会となる65周年事業を開催します。

地域の魅力を活かしたまちづくり・ひとづくり

まちづくりとひとづくりとは、よりよい未来の構築を目的として行うものです。地域そしてそこに住まう人々に対して働き掛ける中で、本年はこれからの未来を支えていく世代、すなわち青少年及び若年層への魅力発信に関する運動に主軸を置きます。鳥栖市は2023年には防災拠点としての鳥栖市新庁舎が完成し、地域の更なる土地活用を目指す地区計画の見直しが始まるなど、今後も益々活力溢れるまちとして発展する可能性が見込まれます。

また、古くから九州における陸路交通の要衝として物流や人の往来に恵まれた地域であり、九州の中でも最も住みよいまちの一つとして評価される、佐賀県の中では数少ない人口増を続けている都市です。しかし近年続く日本経済の弱体化による子育て環境の変化、留まる事のない全国的な少子高齢化などの要因により、2035年頃には人口減少に転じるという予測もされています。今後も私たちのまちが持続的な発展をしていくためには、この地域がもつ魅力を青少年やこどもたちに関わる人々に伝え、鳥栖の地で活躍する人財の育成を目的とした運動を行っていくことが必要です。

鳥栖市は人口およそ7万4千人という規模の中で、サッカーJリーグ・サガン鳥栖、バレーボールVリーグ・久光スプリングスという2つのプロスポーツチームの本拠地として日本でも有数のスポーツの魅力を発信できるまちであり、地域住民が誇りを感じることのできる資源を抱えています。また、佐賀県ではSAGA2024国スポ・全障スポが開催され、地域一体となってスポーツの魅力を味わうことのできる1年となります。地域の持つ魅力を最大限に活かしたまちづくり・ひとづくりを実行します。

わんぱく相撲について

鳥栖青年会議所では唯一の継続事業としてわんぱく相撲LOM予選大会を毎年開催しており、2020年度、2021年度においては新型コロナウイルス感染症拡大防止のために中止しましたが、2022年度から鳥栖青年会議所主催の下、鳥栖の相撲や青少年育成に関わる各団体の協力を頂きながら再びわんぱく相撲LOM予選大会を開催しています。

わんぱく相撲の目的は、ただ力を競い合うものではありません。鳥栖そして日本の未来を担う子どもたちが、大会を通して困難に立ち向かう勇気を学び、相撲がもつ和の心と礼儀・礼節という日本人の伝統的価値観を学び、地域の大人たちは一生懸命に取り組む子どもたちを支え関わり合うことにより、地域の繋がりを構築することができる輝かしい事業です。

本年も子どもたち、地域の大人たち両面に向けたわんぱく相撲LOM予選大会を開催いたします。

組織について

青年会議所は明るい豊かな社会の実現という同じ志を持った者が様々な垣根を越えて集う組織であり、全ての会員が一丸となって進むためには、互いに対する信頼が必要です。信頼は積み上げるものであり、一日で構築される事はありません。日々の振る舞い、相手への姿勢、約束事を守ること、周囲への気配りやコミュニケーション、これらを積み上げた上で、誠意と情熱を持って互いを引き上げていくことが求められます。

また、青年会議所はその名の通り会議を基盤として運動を生み出し地域へ展開する組織です。毎月の例会、定期的に開催する総会、更には理事会や執行部会など、数多くの会議を通して目的の達成を図りますが、それらの会議はただ開催すればよいものではありません。

時代と環境が変化するにつれて、それに伴い組織が変化するにつれて、会議のあり方も変える必要があると考えます。価値があり意味があるものでなければ、会議を行う意味はありません。意見を出し合う機会はそれぞれ平等に与えられていますが、その場を活用できるかは個人次第です。青年会議所から与えられる様々な機会に対し、それぞれが積極的に取組むことができる意識の醸成を推し進め、一年を通して自分の軸となる一つの物事を成し遂げる組織の構築を達成します。

会員拡大について

鳥栖青年会議所は2023年9月現在、正会員数は14名であり、全国で見ても小規模なLOMに位置すると言えます。更に鳥栖市の人口およそ7万2千人に対し14人、1万人当たり1.9人という数字は、県内他LOMと比較しても少ないという現状です。

近年続いている会員数減少は少子高齢化、経済状況の悪化、感染症拡大による活動制限など様々な状況に起因するものですが、組織の活動を継続していくために会員拡大は必要不可欠なものです。これを成し遂げるために必要なものは、動く質と量を増やすことに他なりません。現在、会員が減少することで拡大活動を行う人員の減少に繋がり、そのため結果が出ず更なる会員減少を引き起こすという、悪循環に抗うことができなくなっています。

また、暦の浅い会員や事業・活動に関わる機会の少ない会員にとっては、鳥栖青年会議所の衰退を自分事として捉えることができず、鳥栖青年会議所の魅力を伝えることがし難いものです。最も拡大に関わるべきであるのは現役会員であることは当然ですが、経験豊かで青年会議所活動の魅力をよく知っている会員一人一人が本当に組織の継続を願うのなら、現役OBの垣根を越えて会員拡大に取組むこと、そしてその主導をすることが組織を牽引するために求められています。

もう一度ここから組織の現状を自分事として捉えることとのできる会員の意識醸成、そして会員拡大活動を継続して行う気概の共有が必要です。そのために求められること、これは会員一人一人に会議所活動の喜び、楽しさ、魅力を実感してもらうことに他なりません。会員はそれぞれ地域への貢献や人との繋がり、自己成長、様々なものを求めて入会しています。様々な事業を行いそれに真摯に取組めば、人と信頼関係を構築することができます。

また事業を運営することで、ものごとの企画力や構築力、実行力を身に付けることができます。鳥栖市に留まらず県や地域の組織と関わることで、人との繋がりの輪を大きく広げることもでき、個々人の立場を超えて純粋な友人関係を築くことも可能です。それらで得た様々な能力や絆というものは、自分自身の経済活動や生活にも大きな利をもたらすこととなるでしょう。

日々の会議所活動からこれらの喜び、楽しさ、魅力を実感するために一年間の鳥栖青年会議所の活動を推進し、組織一丸となって会員拡大を達成します。

最後に

時代や環境は常に変化を続けています。鳥栖青年会議所の形も時代の変化に対応しなければなりません。鳥栖青年会議所が1959年に設立されて、64年間に渡り諸先輩方が脈々と続けてきた活動と想いをしっかりと継承しながら、この先未来の青年達が活動を続けていけるように今一度真剣に向き合うことが必要です。挑戦する心を忘れず、感謝の心を胸に、真に活動を楽しむことのできる青年会議所の組織を一年間牽引していきます。

事業計画

  1. 未来を見据えた運動方針の策定
  2. 感謝の心を伝える創立65周年記念式典の実施
  3. 成長と発展の機会となる創立65周年記念事業の開催
  4. 地域の魅力を活かした青少年育成事業の実施
  5. わんぱく相撲LOM予選大会の開催
  6. 互いを引き上げる組織力の増強
  7. 持続可能な会員拡大への取り組み